松村英治

やきもの/愛知県


「まず使っていただいて、馴染んできて、それから次の話なので、結果がすぐに見えてこない息の長い仕事だと思っています。食器はあくまで脇役ですから。」と語る松村さんは現在、主に焼きしめ、灰釉、柿・黒釉(火山灰)の器をつくっています。また一方で、彫刻作品の制作もしています。

ガツンとした男の器、というのが私の第一印象でしたが、そこには使い易さを考慮し、制作の工程を増やしているという女性的な細やかさが秘められていたのです。
焼きしめのものは、一度焼いて砥石で表面のがさがさを落としてペーパーかけして、三回焼いて最後に水研ぎをしてつくられています。曰く、「がさがさの焼きしめは、最初はきれいとかそんな理由で使っても、日々の中でやはり使いづらいことで使わなくなり育つどころではなくなる。やはりはじめから使い易いものがいいと思って。」
施釉のものは、灰つくりから。約1ヶ月かけて灰のあく抜きをし、素地の原土に生掛け(乾燥しただけの粘土の素地にそのまま灰釉をかける)をしてつくられています。



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