2010年4月の記事

2010年4月24日

「山里の竹籠職人」 編集・発行/日之影町役場

山里の竹籠職人

1988年から89年にかけて、日之影町の廣島一夫氏が生涯に身につけた80種類の竹籠を始めとし、日之影町の職人の作品174点が、町の生活記録とともに、スミソニアン協会国立自然史博物館文化人類部に収蔵されました。これを機に、1994年、ワシントンD.C.にあるサックラーギャラリーで展覧会「A Basketmaker in Rural Japan 山里の竹籠職人」が開かれ、その時の図録を日之影町役場が2009年に日本語版として出版したものです。

宮崎県西臼杵郡日之影町で雑貨店を営む中村憲治氏は、町に伝わる竹籠や工芸品の保存に関心を持ち、地元の職人が製作した再現品を店内で展示、販売する事によりそれらを紹介し、後世に残す事を願っていたといいます。そんな中、ニューヨークのジャパンソサエティーのために南日本の工芸品の企画を立てていたアーサー・M・サックラーギャラリーの学芸員ルイーズ・コート氏と出会うのです。その出会いが後にスミソニアンへの収蔵に繋がるのです。

「廣島一夫 竹と歩んだ人生」の章は、1915年に生まれた彼がどのようにして竹籠職人
としての技術を取得し、地域の人びとがどんな暮らしをしていたかが書かれており、大変興味深いです。

以下抜粋。

1920年代の日之影で、竹籠作りを生計とする人は少なくなかった。中には地元周辺の集落を廻って注文を取り、その農家で寝泊りして竹籠を作る人たちもいた。また洞穴や土手に野宿しながら集落を廻って竹籠作りをする人たちもいた。

日之影町役場では販売していません。
購入を希望される方は、町内にある書店へお問い合わせ下さい。
店名:有限会社 高橋書店
電話:0982-87-2018 

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2010年4月21日

「食器の買い方選び方」 秋岡芳夫著 新潮社

著者は共立女子大学、東北工業大学で教鞭をとった他、工業デザイナーとして、作る者・売る者・使う者のより良い関係を築くため「モノ・モノ」運動を主宰されていました。北海道や岩手県でのコミュニティ産業開発にも貢献をしていて、著書も多くあります。

手頃な大きさ、重さという事に関して詳しく書かれ、食器を選ぶ際のいろいろなポイントが明記され、買う者にはとても参考になる話しが載っています。

以下本文より引用。

・暮しで見立てる
単に食べやすいだけでは、いい器とはいえない。
食器は、それで食事をする人だけではなく、運ぶ人、洗う人、片付ける人、みんなにとって使いやすいのが〝いい器〟なのだ。
使いやすさを決めるのは、体と器の関係寸法、器同士の関係寸法、動作と器の関わり方、その他いろいろ。

・持ちやすいのがいい
見近にあるものを手に持ってみたら、コップも茶筒もビール瓶も、みなほぼ同じ大きさ、直径80ミリ前後。これは、日本人の手にちょうどすっぽりと収まる大きさだ。この80ミリ前後すなわち3寸弱とは、長い歴史の中で自然とできあがった〝きまり寸法〟なのだ。持ちやすさを求めた昔のユーザーたちの追求がこのサイズに落着き、現代でも生きている。

「モノ・モノ」の流れを汲む、お店
モノ・モノのHPリンク

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2010年4月15日

「里山に生きる 古丹波」 森基著 創樹社美術出版

古丹波

著者である森基(はじむ)さんの30年以上にわたるコレクションの中から選ばれたものが紹介されています。

鎌倉、室町時代の自然釉壷には、そのかたち、色にうっとりさせられます。また、江戸時代後期の白釉/灰釉の油壺は、両手で包み込んでしまいたくなるようなかたちで、一輪の花を挿したらさぞ楽しかろうと思います。

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2010年4月9日

ポンピン堂の桜柄ブックカバー

桜柄ブックカバー

桜柄ブックカバー後ろ

ブックカバー裏側

ポンピン堂のブックカバーに新柄が登場しました。
色は石竹(せきちく)色です。

ポンピン堂による柄の説明によれば、
日本で最も愛される花の一つ。「さくら」の語は、古くは「稲作を司る神様の座するところ」という意味を持ち、花が豊かに咲く様を見て、その年の豊作を祈願したとされる。生命力と成功の象徴ともされる。
と、あります。

関東ではピークを過ぎそうですが、これからはみちのくの桜が楽しみですね。

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2010年4月8日

「終の器選び」 黒田草臣著 光文社新書

著者は、渋谷(株)黒田陶苑の代表取締役であり、この他にも焼きものに関する著書が
多くあります。

第一章は、魯山人の器を選ぶ。著者は、お父様と北大路魯山人との繋がりで、魯山人邸の一角にかつてお住まいだったそうです。ここで生まれたお兄様の名前は魯山人が名付けた、などのエピソードも載っていて興味深いです。

第二章から第六章まで、やきものの歴史、焼締陶を選ぶ、中国・朝鮮の陶磁器を選ぶ、
日本の陶磁器を選ぶ、器の種類で選ぶ、と続きます。全体を通して、さまざまな作家(
昭和の巨匠から現代の若手まで)の作品が数多く写真で紹介されています。

余談ですが、笠間に移築された北大路魯山人のかつての母屋、春風萬里荘では、建物と中に展示してある彼の作品を観ることができます。庭もあり、ゆっくりと楽しめます。笠間、益子方面にお出かけの際はオススメです。

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2010年4月7日

春の花

シラユキゲシ

花器:和田麻美子

庭のハクモクレンの花が終わり、小さな葉がどんどんと出てきました。

雪柳は今がピークのようです。

先日、シラユキゲシが咲いたので、
和田麻美子さんの花器に挿してみました。

和田さんの花器は人気があり、現在在庫は少しです。5月下旬に新たに届く予定ですので、どうそお楽しみに。

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2010年4月5日

「鯨尺の法則」 長町美和子著 ラトルズ

著者は住宅とインテリアの雑誌編集に携わってきた人で、現在はフーリーランスのライターとして活躍されています。

そんなに昔ではない少し前まで、多くの人が普通に使っていた風呂敷、火鉢、葛籠や行李。それらに関するエッセイ集です。単にノスタルジーという書き方ではなく、読むと改めて良さが伝わり、そういったものたちを使ってみたくなります。写真も美しいです。

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2010年4月4日

「うつわの手帖【2】ごはん」 日野明子著 ラトルズ

「うつわの手帖【1】お茶」に続く、待望の第二段で、2010年2月に発行されました。今回はごはんグッズが、炊く、いただく、おいしくする、ごはんの友、のくくりで分け、紹介されています。

「炊く」では釜・土鍋・アルミ鍋・鉄鍋、
「いただく」では飯碗・飯椀・どんぶり・子ども茶碗・蓋付き茶碗、
「おいしくする」ではお櫃・飯台・弁当箱・弁当籠、
「ごはんの友」ではしゃもじ・箸・箸置き・折敷・箱膳の選りすぐりものが出ています。

合間には茶わんや箸に関するコラムがあり、楽しく読み進むことができます。

うつわの手帖【1】同様、巻末には作者のプロフィールや取扱店リストが付いています。

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